■信長期に築かれた天守台石垣を初めて発見!!
昨年度に引き続き、金華山山上部3か所で発掘調査を実施した結果、天守の起源を考えるうえで重要な石垣が見つかるなど、大河ドラマ「麒麟がくる」の放送に合わせて、ますます岐阜市が注目される成果が得られました。
■調査概要
調査場所:金華山山上部 (1)天守閣西側 (2)二ノ門周辺 (3)資料館南側
調査期間:令和元年10月31日~令和2年1月末(予定)
調査面積:約1,410平方メートル(清掃範囲を含む対象面積)
■調査結果
☞信長期に築かれた天守台石垣が見つかる(1)
・天守閣の北西隅で確認
・3段残存 (長さ約1.8m×高さ約0.7m)
・石材の合わせ目が奥にある
・隙間に間詰石が詰めてある
・傾斜をつけて積まれている
⇒1567年の信長入城後に積 まれた石垣の特徴と同じ!
天守台石垣は、明治43(1910)年の初代復興天守建設の時に積み直されたため、信長期の石垣はほぼ残っていないと推定されていた⇒岐阜城で信長期の天守台石垣が見つかるのは今回が初!
☞二ノ門周辺で信長期の石垣を確認(2)
・3段残存(長さ約1.4m×高さ約0.5m)
・天守台石垣と同様に信長入城後の特徴 を持つ石垣
☞「稲葉城趾之図」に描かれた石垣と一致(1)(2)
☞資料館南側で信長期の石垣を確認(3)
・絵図には描かれていない新たな石垣 を発見
・縦約0.6m×横約1mの石材が残存
・石材の裏側に石垣を安定させ排水を 高めるための裏込石が確認されたた め石垣であることが明らかに
■江戸時代絵図再評価!
以前から岐阜城研究に用いられてきた伊奈波神社所蔵の絵図「稲葉城趾之図(いなばじょうしのず)」。
絵図の記述と、今回の調査で確認された石垣がほぼ一致しました。信頼性がより高まり、今後の調査を進めるうえでも貴重な史料となりそうです。
■ポイント
・信長期の天守は、これまで推測でしかなかった
・今回の調査で、信長期に天守が存在したことの根拠となる物的証拠を初めて発見!⇒日本最古の天守があった可能性も!?
・今後、岐阜城の構造解明につながることが期待される
問合せ:社会教育課
【電話】214-2365