岐阜市民病院 中田琢巳 乳腺外科部長
♥マンモグラフィ検査とはどんな検査ですか?
マンモグラフィ検査とは、乳房を2枚の板で挟んで平らにのばした上でレントゲン写真を撮影する検査です。乳がんの検出に有効で、乳がん検診では40歳以上の人で1~2年に一回のマンモグラフィ検査を行った場合に乳がん死亡率の減少が報告されており、検診の受診が推奨されています。市民病院では、昨年11月から新しい装置によるマンモグラフィ検査を開始しています。
♥新しいマンモグラフィ装置のメリットは?
(1)検査時の痛みが軽減:従来の装置では、プラスチックの硬い板で乳房を強く撮影台に押さえて撮影するため、苦痛を感じることがありました。新しい装置では、優しく乳房全体にフィットする板を使用し、検査時にかかる圧力を分散することで痛みが軽減されます。
(2)被ばく量が少ない:検査により放射線が人体へ及ぼす影響はほとんどありませんが、1回の撮影で数十枚の連続断層画像を撮影するトモシンセシスという技術を用いるため、現在よりも低線量で放射線被ばくを減らした検査が可能です。
(3)高画質な画像により高濃度乳房にも対応:乳腺組織が多い場合は重なり合う構造物が多く高濃度乳房といわれ、乳腺が白く写る割合が強くなるため、従来の装置では病変が隠れて検出しにくかったのですが、新しい装置では、トモシンセシスにより乳腺を薄くスライスした画像を数十枚取り出すことができ、隠れて見えにくかった病変が確認し易くなり診断能力の向上が期待できます。
(4)確定診断のための検査:これまでより正確に病変が採取できますので、早期に診断をつけて治療につなげることができます。
問合せ:市民病院がん相談支援センター
【電話】251-1101(内線2236)