■絵本の読み聞かせから社会課題の解決へ
◇読み聞かせがもたらす幅広い効果
市では、絵本の読み聞かせに関する取り組みを積極的に進めています。親子での絵本の読み聞かせは、乳幼児期のスキンシップと語りかけとして愛情表現の基本であり、身近な人の声や表情を見てその温かい記憶を心に残し、本に愛着を感じることにより、その後の読書活動へのきっかけになると考えています。
また読み聞かせを行うことで豊かな情操や幼児教育が促され、それらが良好な親子関係をつくることにつながり、親子の間で信頼関係を育むことは全国的に増えつつある児童虐待を防ぐ有効な手立てとなります。
円満な家庭が築かれれば、将来のいじめの解消、ひきこもりの予防などとともに、ひいては地域社会に担い手をもたらし、8050 問題などさまざまな社会課題の解決にもつながることから、絵本に親しむきっかけづくりに取り組んでいます。
[読み聞かせボランティア 米原 木ノ実さん]
▽家庭での読み聞かせのコツは?
上手に読もうとせず無理なく楽しく親子でかけがえのない幸せな時間を共有してほしいと思います。大人が先を急がずにできる限り子どものペースにあわせて、いくらでも何度でも、ぜひ大人も一緒に楽しみながら読んであげてください。
▽おすすめの絵本は?
『はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー』は、細かく描きこまれた絵がとてもきれいな絵本です。大人は文字だけを読み進めてしまいがちですが、子どもは意外と絵の細部までしっかりと見ているものです。ぜひご家庭でゆっくりと時間をかけて読んでもらいたい一冊です。
最近の新刊もよいのですが、長年ずっと選ばれ続けている定番絵本もぜひおすすめしたいです。自分が幼い頃に親に読んでもらった絵本と再会すると、喜びと驚きもあるかもしれません。
絵本との出会いは大人にとっても人生が豊かになる機会です。
〈おすすめの絵本〉
はたらきもののじょせつしゃけいてぃー
バージニア・リー・バートン/文・絵
いしいももこ/訳
福音館書店
[中央図書館司書 服部 梓]
▽読み聞かせの魅力とは?
小さい頃から絵本に触れていると語彙力(ごいりょく)や非認知能力といわれる心の豊かさが大きく成長するといわれています。文字が読めないお子さんでも、手で本を触ったり、目で絵を見たり、耳で身近な人の温かな声を聞いて、五感で絵本の世界を体験することで心が豊かに成長します。
絵本は世の中のことを知る扉です。好きな絵本を好きな人の声で読んでもらう、その温かなお子さんとの触れ合いの時間を大切にしてください。
▽おすすめの絵本は?
『だっこ だっこ だーいすき』は、お子さんに「だっこ」や「だーいすき」と愛情たっぷりに語りかけながら、触れ合ってもらえる絵本です。言葉をよく覚える時期の生後半年くらいのお子さんにもおすすめで、身近な人の温かい言葉に包まれて成長していってもらえるとよいと思います。
繰り返しのリズムや家族がたくさん登場する温かな内容をぜひお子さんと触れ合いながら楽しんでもらいたい一冊です。
〈おすすめの絵本〉
だっこ だっこ だーいすき
かみじょうゆみこ/文
100%ORANGE/絵
福音館書店
《市立図書館 絵本貸出回数 年別1位 ※市立図書館調べ》
◇平成19年(15年前)
くだもの
平山和子/作
福音館書店
◇平成24年(10年前)
のりものいろいろかくれんぼ
いしかわこうじ/作・絵
ポプラ社
◇令和4年
だるまさんの
かがくいひろし/作
ブロンズ新社
広報ぎふでは毎月15日号に岐阜市長コラム「岐阜を動かす」を掲載し、併せて動画を配信しています。令和5年7月15日号では、柴橋市長が「絵本の読み聞かせがつくるウェルビーイング」というテーマで話をしていますので、ぜひご視聴ください。
■絵本に親しむきっかけづくりの取り組み
●わくわく!図書館デビュー!「はじめての図書館」事業
[赤ちゃんへ絵本を贈呈]
市立図書館に来館し利用カードを作成した乳幼児に絵本を1 冊贈呈します。絵本は3冊から選べます。
対象者:市内在住で、令和5年4月1日以降に生まれたお子さん(3歳の誕生月までにカードを作成したお子さん)
受け渡し場所:市立図書館(中央図書館、分館、各図書室)
※利用カードの作成には本人確認書類(健康保険証など)が必要です。
〈3冊から選べます〉
・はらぺこあおむし
エリック・カール/作
もりひさし/訳 偕成社
・ぴょーん
まつおかたつひで/作・絵
ポプラ社
・やさいさん
tupera tupera/作・絵
Gakken
●親子のふれあい「絵本といっしょ」事業
[10か月児健診で啓発]
保健センターで10か月児健診を受診する親子を対象に、読み聞かせの大切さの啓発、乳児への読み聞かせ、図書の貸し出しなどを実施しています。人気の絵本や育児関連本などを受診会場へ持ち込み、絵本に触れる機会をつくっています。
・健診時の待ち時間を活用して絵本を紹介
・笑顔があふれる楽しい絵本の読み聞かせ
●柳ケ瀬子育て支援施設ツナグテとの連携
[読み聞かせ会を開催]
令和5年4月に開設した柳ケ瀬子育て支援施設「ツナグテ」には、図書館との連携コーナーや親子で読み聞かせができるスペースなどを設け、約200冊の絵本などをそろえています。図書館司書による絵本の読み聞かせ会も毎月開催しています。
※インスタグラムは施設イベント情報などを掲載。
・毎月開催している読み聞かせ会(ツナグテ)
・司書によるえりすぐりの絵本を季節ごとに配架
●図書館のおはなし会
[みんなで絵本を楽しむ]
図書館では、絵本と出会うきっかけづくりのために、季節や年齢にあわせた子ども向けのおはなし会を毎月開催しています。各図書館(室)のおはなし会の日程はホームページで確認できます。ぜひご参加ください。
・0~3歳児向けのおはなし会(中央図書館)
・中央図書館では絵本エリアと書庫を合わせて約4万冊の絵本を所蔵
※詳しくは本紙P.6~7をご覧ください。
問合せ:市立図書館
【電話】262-2924
企画・編集/広報広聴課