■岐阜城の未来を語ろう
このたび、「史跡岐阜城跡整備基本計画(案)」を作成しました。日本遺産の主要な構成文化財である国史跡岐阜城跡を保存し、活用するための具体的な計画です。
私は、本物志向の観光まちづくりを掲げ、本物の価値に共感してくださる来訪者と本物の価値に愛着や誇りを持ってくださる市民の皆さんとの交流が岐阜市を元気にすると考え、2018年から新たに岐阜城跡山上部の発掘調査を開始しました。その結果、信長期の可能性のある天守台の石垣を発見したほか、伝一ノ門の構造が守護大名であった土岐氏の居城大桑城の岩門と類似しており、斎藤道三が土岐氏に対抗して自らが美濃国のトップであるとの威信を示した一ノ門を織田信長が継承したことも、発掘調査で明らかになりました。
こうした山上部の発掘調査を推進するとともに、山上部の城郭景観を復元するため、現存する石垣を見学できるように露出し、それを阻害する樹木の伐採や見学路等の設置を行うほか、山上から遠方を眺めた時の眺望確保や、城下町等から眺めた際の山城らしい景観の復元を行います。また、山麓部の居館跡で確認された、岩盤から滝が流れ落ちる庭園跡の庭園空間整備や、ガイダンス施設整備を行い、天守だけが岐阜城なのではなく、金華山全てが岐阜城であるというパラダイムシフトを行いたいと考えています。
岐阜市では、「史跡岐阜城跡整備基本計画」策定にあたり、市民の皆さんのご意見を募集しています。募集期間は11月1日までで、詳細は岐阜市文化財保護課ホームページをご確認ください。岐阜城は、市民の皆さんの財産であり、シビックプライドそのものです。一緒に岐阜城の未来を語りましょう。
岐阜市長 柴橋
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