2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀は、本能寺の変を起こし、主君である織田信長を討った人物として、最も知られる戦国武将の一人です。しかし、彼の人生は出自すらあいまいで、本能寺の変を起こした理由もいまだ解明されておらず、その知名度に反して多くの謎に包まれた人物ともいえます。特別展では、明智光秀の事跡をたどりながら、ゆかりの品々をはじめ、彼と親交の深かった細川藤孝(幽斎)、織田信長やその家臣など、光秀を巡る人びとを紹介することで光秀の深層に迫ります。なお、同展覧会は、大阪歴史博物館でも4月に開催が予定されていましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により中止となったため、これが唯一のNHK大河ドラマ特別展となります。
期間:9月18日(金)~11月3日(火・祝)
展示前期:9月18日(金)~10月11日(日)
展示後期:10月14日(水)~11月3日(火・祝)
場所:歴史博物館1階特別展示室(大宮町2-18-1)
■斎藤道三の国盗り!
戦国時代、美濃では下剋上が繰り広げられていました。その中でも、父と二代で国盗りを成し遂げた斎藤道三は岐阜のまちづくりの基礎を創り上げた重要な人物です。
○岐阜県指定文化財
紅糸中白威胴丸(べにいとなかしろおどしどうまる)
伝斎藤道三所用
室町時代後期
岐阜県垂井町・南宮大社蔵
斎藤道三所用と伝わる甲冑です。室町時代後期を代表する豪華なつくりです。
展示 前期
■信長の唯一確実な自筆!
明智光秀に多大なる影響を与えた信長。斎藤道三の娘・帰蝶と婚姻し、岐阜を足がかりに「天下統一」を目指したとされています。
○重要文化財 織田信長自筆感状(おだのぶながじひつかんじょう) 細川忠興宛(ほそかわただおきあて)
〈[天正5(1577)年]10月2日〉 永青文庫蔵
織田信長の側近の添え状も残っており、確実に信長自筆と判明する手紙です。細川忠興は藤孝の息子で光秀の娘・玉(ガラシャ)の婿。
展示 後期
■明智光秀は何を観て、何を感じたのか!?
史料があまり残されていないことから、謎に包まれた存在である光秀。
光秀が愛用したとされる品や、嗜(たしな)んでいた茶道具や連歌などが残されています。
○明智光秀画像(あけちみつひでがぞう)(部分)
安土桃山~江戸時代前期 大阪府岸和田市・本徳寺蔵
明智光秀と伝えられる肖像画。光秀の容姿をうかがわせる唯一の絵画作品です。
展示 9/18(金)~24(木)
■光秀の嗜好
○青磁香炉(せいじこうろ) 銘 浦千鳥(めい うらちどり)伝明智光秀所用
中国・南宋時代 遠山記念館蔵
中国・龍泉窯(りゅうせんよう)産とみられる千鳥形の香炉。明智光秀が所用し、近江坂本城で大切にされたと伝わります。
展示 通期
■光秀の名城・坂本城
比叡山延暦寺焼き討ちの後、織田信長の命により、明智光秀が築城した坂本城。滋賀県大津市の琵琶湖沿いにあった城です。
○国宝 中務大輔家久公御上京日記(なかつかさだゆういえひさこうごじょうきょうにっき)(部分)
〈天正3(1573)年〉 東京大学史料編纂所蔵
薩摩国の島津家久の日記。明智光秀の居城・坂本城を訪れた時の様子が活写されています。
展示 10/8(木)~11/3(火・祝)