男性も女性も、職場で学校で地域で家庭で、それぞれの個性と能力を発揮できる「男女共同参画社会」の実現のためには、市民の皆さん一人ひとりの取り組みが必要です。男女共同参画週間を機に、皆さんも男女共同参画について考えてみませんか。今回は、市が作成した“女性の視点で考えた暮らしの中でできる減災対策”の一部をご紹介します。詳しくは、市ホームページなどでご覧になれます。
■始めてみぃへん? 岐阜市の減災暮らし
東日本大震災の被災地では健康維持に必要な栄養素が不足したことが報告されています(グラフ参照)。被災直後は、パンやおにぎり菓子などのエネルギーを確保する支援物資が優先して支給されますが、野菜や果実といったミネラルやビタミンを含む食品は不足しがちになり、免疫力や体力低下の原因となる低栄養状態を引き起こしかねません。今回、岐阜市立女子短期大学食物栄養学科の協力のもと、岐阜の野菜を使った「備蓄レシピ」を考案してもらいました。女性の視点で考えた食の備蓄のアイデアと、各世代別おすすめレシピをご紹介します。
■世代別おすすめレシピ
ポリ袋を使ったパッククッキングに挑戦!
※ポリ袋は、必ず食品用の「高密度ポリエチレン」を使いましょう。
レシピの手順や調理法などを動画でチェック!
■乳幼児向け やさいぼーる
○材料(哺乳完了期1食分)
・お好みの野菜…50g(カボチャやジャガイモ、ニンジン+サツマイモがおすすめ)
○作り方
(1)野菜の皮をむき、小さく切ってポリ袋に入れる。ポリ袋の空気を抜き、口をしばる。
(2)沸騰した鍋に(1)を入れて野菜をゆでる。
(3)手でつぶせる硬さになったら鍋から取り出し、ポリ袋に入れたままスプーンで野菜をつぶす。
(4)つぶした野菜をラップに包んで丸める。
Point 日持ちする野菜をうまく利用して離乳食を作りましょう。また、生後9か月以降の赤ちゃんに多い貧血を予防するため、鉄分が豊富なレーズンを入れても◎。そのほか、タンパク質を多く含むツナなどもおすすめ。
■子育て世代向け 枝豆コーンご飯
○材料(2人分)
・米…1合 ・水…200ml ・昆布…3cm
・塩…少々 ・コーン…大さじ2 ・枝豆…大さじ2
○作り方
(1)ポリ袋に米、水、昆布、塩を入れ、20分浸水させる。
(2)(1)にコーン、枝豆を入れ、ポリ袋の空気を抜く。
(3)ポリ袋の口をしばり、沸騰した鍋に入れる。
(4)再沸騰したら弱めの中火~弱火にし、15~20分煮る。
(5)鍋をコンロから外し、10分余熱で蒸らしたら混ぜ合わせる。
Point 避難生活ではごみ問題も深刻になります。調理時に生ごみが出ないよう、さやから取り出した枝豆を冷凍保存しておくと便利です。また、子どもと防災ピクニックを行うなど、普段から非常食に慣れておくことも大切。
■高齢者向け 具だくさんみそ汁
○材料(1人分)
・玉ねぎ…1/4個 ・切干大根(乾燥)…1つまみ
・わかめ(乾燥)…小さじ1 ・卵…1個
・水…150ml 《みそ玉》・みそ…小さじ1
・和風だし(顆粒)…小さじ1/5
○作り方
(1)薄切りにした玉ねぎ、切干大根、乾燥わかめをポリ袋に入れる。
(2)別のポリ袋に卵を割り入れる。
(3)それぞれ空気を抜いて口をしばり、水を注いだ鍋に入れる。
(4)沸騰したら火を弱め、さらに5分加熱する。
(5)器に取り出し、《みそ玉》を入れ、鍋のお湯を注ぐ。
Point 高齢者は脱水症や熱中症になりやすいため、こまめな水分補給が必要です。汁物ならしっかり水分を摂ることができます。また、卵は別のポリ袋で調理するため、好みの硬さやアレルギーに対応できます。
■女性向け キャベツの梅和え
○材料(1人分)
・キャベツの葉…1枚 ・梅干し…1/2個
・ごま…1つまみ
○作り方
(1)キャベツを一口大に手でちぎり、ポリ袋に入れる。ポリ袋の空気を抜き、口をしばる。
(2)沸騰した鍋に(1)を入れてふたをして、弱火で20分ゆでる。
(3)鍋から取り出して粗熱を取ったら、ポリ袋の上からキャベツを軽くしぼり水気を取る。
(4)(3)に梅干しとごまを入れ、軽くもみながら混ぜ合わせる。
Point 特に野菜不足といわれている県内の20~40代女性のために考案したレシピ。ビタミンCやKが豊富なキャベツを保存する場合、芯をくり抜いておくのがおすすめです。また、梅干しには疲労回復効果や食中毒の予防が期待できます。常温でも日持ちするため、備蓄食料にぴったりです。
■「在宅避難」も選択肢に
~コロナ禍の災害対策にもローリングストックを~
このコロナ禍において、自然災害はいつ起こるかわかりません。避難所での感染症リスクを避けるため、自宅での安全の確保が可能であれば「在宅避難」を選択肢として考え、そのための準備を進めることも大切です。災害発生時には、1週間以上食料が手に入らないことが想定されます。日常生活に食料備蓄を取り入れる「ローリングストック(循環備蓄)」を実践してみませんか。ローリングストックは、普段の買い物で少し多めに食品を購入し、期限の近いものから消費。使った分を補充することで常に備蓄品の鮮度を保ちつつ、一定量の食料が備蓄できるため、避難生活でも食べ慣れた食事をとることができます。
栄養が摂れる食材の備蓄も大切!
災害時は栄養バランスが偏り、体調不良を引き起こすことも。栄養価の高い昔ながらの食材「まごわやさしい」を備えて!
ま⇒豆類
ご⇒ごま
わ⇒わかめなどの海藻類
や⇒野菜
さ⇒魚
し⇒しいたけなどのきのこ類
い⇒いも類
問合せ:男女共生・生涯学習推進課
【電話】214-4792