■持続可能なぎふ長良川の鵜飼
10月15日に鵜飼じまいを迎えた令和2年のぎふ長良川の鵜飼。大河ドラマ「麒麟がくる」による観光誘客など、大勢のお客様をお迎えする好機到来とばかりに、期待に胸を膨らませて臨んだ令和2年でしたが、観覧船乗船客数は、令和元年比マイナス83.2%の15,310人となり、運休日数は、新型コロナウイルス感染症の影響で33日、増水等の影響で22日、合計55日に上りました。これは鵜飼観覧始まって以来のことです。
こうした厳しい状況ではありましたが、悲観的な話ばかりではありませんでした。万全な新型コロナウイルス感染症対策のために乗船定員を50%に削減し、船内飲食を禁止したことで、観覧船乗船客数が伸び悩んだ一方で、「ゆったりと観覧できた」「会話が少なく、より静寂の中で幻想的な雰囲気を楽しめた」といった声をお寄せいただき、満足度が向上したことは一筋の光です。
困難な状況下で、さまざまな官民の試みが行われたことも、今後のぎふ長良川の鵜飼の魅力向上や、観光振興につながる道となりました。岐阜市では、観覧船を「水上座敷」として右岸に係留し、乗船していただく実証実験を行いました。「地元に泊まろうキャンペーン」では、市民の皆さんを対象に、大河ドラマ館と鵜飼観覧付割引宿泊プランを販売したところ、初めて長良川温泉に宿泊した方や鵜飼を観覧した方から、感動の声をいただきました。また、岐阜商工会議所においては、長良川プロムナードから提灯(ちょうちん)を持って鵜飼観覧を行う「かわべの宵(ゆうべ)」を開催されたほか、別の事業者は「andn(アンドン)夜市riverside」を開催され、桟敷を舞台に見立てた演出を行うなど、近未来の新たな可能性を感じさせました。
来シーズンに向けて、飲食及び乗船定員の緩和など鵜飼観覧船の運航方法を再検討するとともに、実証実験を行った「水上座敷」について、実施に向けた内容の検討を行います。また、多様な鵜飼観覧や市民の皆さんに長良川の水辺により親しんでいただく方策を、民間事業者とも連携し、ぎふ長良川水辺空間活用協議会で議論を重ねています。持続可能な鵜飼・鵜飼観覧に向け、オール岐阜で英知を結集してまいりますので、市民の皆さんのご理解、ご協力をよろしくお願いします。
岐阜市長 柴橋