岐阜市の未来を担う子どもたち。夢や目標に向かってひたむきに努力する姿は、私たちに感動を、そして元気を届けてくれます。そうした、きらりと輝く「ぎふっこ」をシリーズでご紹介します。
■全国大会で初優勝! オリンピックを目指す小学生アーチェリー選手
第13回全日本小学生中学生
アーチェリー選手権大会「リカーブ部門小学生女子30mの部」優勝
和田蒼(あおい)さん
三輪南小学校6年生
「世界で戦える選手になりたい」ひたむきに練習に取り組み勝ち取った優勝
■みんなの応援を力に変えて
昨年6月に開催された第13回全日本小学生中学生アーチェリー選手権大会で「リカーブ部門小学生女子30m」に出場した和田蒼さん。大会は全国から選考された上位6人が出場。30m離れた的に制限時間内で規定の数の矢を射ち、得点を競います。的の中心は8cmしかなく、風などの影響を受けるため、高い技術と集中力が必要です。蒼さんはアーチェリーを始めて2年足らずですが、全国の強豪を打ち負かし、見事に優勝を成し遂げました。
練習の時のイメージ通りに試合に臨めたという蒼さん。大会記録を更新する得点で予選ラウンドを突破。準決勝では相手に先にセットを取られますが、焦ることなく自分の矢に集中し、勝利を収めます。決勝戦では相手に1セットも取られることなく、優勝を決めました。「表彰台に上がることを目標にしていたけど、まさか優勝できるとは思っていなかった。チームのみんなが応援してくれてすごく力になった。期待に応えることができて、すごくうれしかった」と笑顔で振り返ります。
■練習量を増やし、才能が開花
アーチェリーを始めたのは、小学4年生の終わり頃。すでにアーチェリーを始めていた友達に誘われてクラブの練習に参加したことがきっかけでした。「アーチェリーのことはあまり知らなかったし、見たこともなかった。初めて弓を持った時は、重くて大変だったけど、的に当たると楽しかった」とアーチェリーとの出会いを語ります。それから、その面白さにのめり込んでいった蒼さん。小学5年生になり、週3日程度だった練習に、毎日通うようになると、その才能を開花させていきました。「練習量が増えて、どんどんレベルアップしていった。
練習が毎日あっても辞めたいと思ったことは一度もない」と語ります。指導する早川重教監督も「ものすごく努力をしている選手。どうすれば良くなるかを自分で考えて練習に取り組めている」と評価します。
■オリンピックのメダルを目指して
全国でもトップクラスの実力を持つ蒼さんですが、昨年11月に開かれた大会では4位と、不本意な結果となってしまいます。「調子が良い時と悪い時の波がある。構えた時から、重心がぶれていたり、頭が動いたりする“悪い癖”がでないように、一つ一つの動きを意識して練習を繰り返していきたい」と今後の課題を話します。
今年4月には中学生になり、狙う的の距離も今までの倍の60mになるなど、さらなる技術の向上が求められます。早川監督は「今後、伸び悩む時期もあるかもしれないが、今の練習への取り組みを続けていけば、必ず世界で通用する選手になれる」と期待を寄せます。「まずは、全国にいる同学年のライバルに確実に勝てるようになりたい。そして、将来は世界で戦える選手になって、オリンピックでメダルを狙いたい」と今後の目標を掲げる蒼さん。これからもひたむきに練習に励み、さらなる高みを目指します。