岐阜城跡山上部初の本格的な発掘調査で、山上部の石垣が、織田信長公城主の時代に築かれたものであることが確認されました。今後の調査で信長公居城の実態が明らかになることが期待されます。
■調査概要
調査場所:岐阜城跡山上部(馬場~二ノ門の間の登山道周辺2か所)
調査期間:平成30年10月24日~12月1日
調査面積:約140平方メートル調査内容:石垣の基礎構造と関連遺構の確認
1 信長期に築かれた石垣を確認!
■調査結果
・山麓の信長公居館の石垣と共通する特徴を確認
☞大きめの石材(80cm程度)を使用
☞石材の間を「間詰(まづめ)石」と呼ばれる小石で埋める
・石垣はL字状に造られていたと判明〈(1)〉
☞4段分(高さ1.5m×長さ4.8m)が残存
☞斜めの地形に石垣を水平に積むため、基礎部分を階段状に削っている
2 岐阜城跡初!鉄の矢じりを発見!
■調査結果
・鉄製の矢じりが見つかる
☞地表から深さ約30cmの場所で発見
☞弓矢の矢の先端部で鉄製(長さ14.6cm×幅2cm)
⇒慶長5(1600)年、岐阜城落城を招いた関ヶ原の戦いの前哨戦で使用されたか!?
・東側の斜面上部に石垣が存在した可能性が高い!〈(2)〉
☞上部から転落した可能性がある石材や瓦などを確認
☞絵図では、東側の斜面上部に石垣が描かれている(高さ1丈〈約3m〉×幅4間半〈約8m〉)
■江戸時代絵図再評価!
以前から岐阜城研究に用いられてきた伊奈波神社所蔵の絵図「稲いなばじょうし葉城趾之のず図」。
絵図の記述と、今回の調査で確認された石垣の形状や大きさがほぼ一致しました。
信頼性がより高まり、今後の調査を進めるうえでも貴重な史料となりそうです。
■出土品
軒平瓦(のきひらがわら)、飾り瓦、鉄鏃(てつぞく)などコンテナ4箱、破片数約500点が出土
問合せ:社会教育課
【電話】214-2365