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夢をつかめ!Road to 2020

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岐阜県岐阜市

「東京オリンピック・パラリンピック」ターゲットエイジ育成事業で今年度、新たに強化指定選手に選ばれた4選手を連載で紹介!岐阜市から世界を見据え、2020年の夢舞台を目指す選手たち。その並々ならぬ努力の裏側に迫ります。

篠原貴史(たかふみ)さん(25)ぎふミナモ

障がい者水泳(競泳)
「水が好き、泳ぐことが好き」
持久力とパワーで夢の舞台を目指す

中濃特別支援学校中学部への入学を機に、水泳部に入ったことが競泳との出会いでした。小さな頃から水が好きだったという篠原選手。当時から水泳の指導にあたっている砂原聖子コーチは、「水に対して恐怖心がなく、学校のプールではずっと潜っていることもあった」と話します。
水が好きで始めた水泳ですが、転機が訪れたのは中学3年生の時。県障害者スポーツ大会春大会で、ずっと勝てなかったチームメイトに勝利します。「ライバルに初めて勝てたことが、本人の自信につながり、泳ぐことの楽しさがより大きくなったのでは」と砂原コーチは振り返ります。
その後、進学した高等部でも水泳部に入部。高校1年生の時に自己ベストを20秒近く縮めて、ジャパンパラ水泳競技大会への初出場を果たします。「大舞台に強いタイプの選手。大会やレースを楽しんで自分の力を十分に発揮できる。物おじしない性格が彼の強み」と砂原コーチは評価します。高校2年生で出場した第13回日本知的障害者水泳選手権大会200mバタフライで、さらに自己ベストを5秒縮めて準優勝。順調に力を伸ばしていきますが、高校3年生の時、日本代表として初出場したアジアユースパラで、世界の強豪相手に惨敗し、世界の壁の高さを経験したといいます。その後も地道に練習を続け、2016年の第19回日本知的障害者水泳選手権水泳競技大会200mバタフライ、今年1月に開かれた第1回日本知的障害者選手権新春水泳競技大会200mバタフライで、それぞれ3位に入賞するなど、着々と力を伸ばしています。
「自閉症と診断されたのは小学5、6年生のころ。水泳を始めたことで、食事や体調管理にも気をつかえるようになった。また、合宿や遠征など親元を離れて参加するため、大きく成長した面もたくさんある」と母・喜美枝さん。現在は週4回ほど、練習場への送迎を続けます。喜美枝さんは「水泳を始めたことで、いろいろなことが変わった。仲間や指導者に出会い、さまざまな人と関われるようになった」と目を細めます。
持久力とパワーがある篠原選手は、長距離向きだといいます。砂原コーチは「パラリンピックへ出場するには克服すべき課題が山積み。最大の課題はペース配分。後半にも体力を温存した泳ぎができると、さらにタイムが縮められる」とアドバイスします。直近の目標は、6月に横浜市で行われる日本選手権で3位以内に入賞すること。春と夏に開催される全国大会で実績を残すことがパラリンピック出場への条件です。「泳ぐことが好きなのが、強さの秘けつ。どんなに練習が厳しくても、最後まで諦めない。意志の固さが実を結んでくれると信じている」と砂原コーチは語ります。目標である東京パラリンピックへの出場へ向け、「水泳は好き。東京パラリンピックに行けるよう一生懸命頑張りたいです」と力強く豊富を語った篠原選手。夢の大舞台に向け、着実に歩みを進めています。

       

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