岐阜市の未来を担う子どもたち。夢や目標に向かってひたむきに努力する姿は、私たちに感動を、そして元気を届けてくれます。そうした、きらりと輝く「ぎふっこ」をシリーズでご紹介します。
念願の全国大会優勝!
アーチェリー
小学生チャンピオン
第12回全日本小学生中学生
アーチェリー選手権大会
「リカーブ部門 小学生男子30m(36射)」優勝
野田 慶一郎 くん 芥見東小学校6年生
「やるからには1位になりたい」2度の悔しい結果を乗り越えて優勝
■天候に左右されない天性の感覚
今年6月に開催された第12回全日本小学生中学生アーチェリー選手権大会に出場し、 「リカーブ部門 小学生男子30m(36射) 」 で優勝した野田慶一郎くん。この大会は公式大会での記録の上位8人で争われる、 小学生王者を決める大会です。小学生のアーチェリーは、30m離れたところにある的を狙います。中心は10点で直径8cmしかありません。制限時間内で規定の数の矢を射ち、合計点を競います。屋外で行われるため、風や雨の影響なども計算しなければなりません。
慶一郎くんは小学4年生から出場し続け、3回目の挑戦で念願の優勝を果たしました。慶一郎くんがアーチェリーに興味を持ったのは、小学2年生の頃におもちゃの弓で遊んだことがきっかけでした。「おもちゃでしたが、 夢中で遊んでいました。何かスポーツを習わせたかったので、弓を使ったスポーツを探しました」 と母・由紀子さん。関市にあるアーチェリークラブに入り、通い始めてすぐに才能を発揮します。指導する早川重教監督は 「他の子に比べて始めから狙うのがうまく、的に当てる感性が優れていた。特に、風や雨の影響を感覚で捉え、中心を狙えるのは天性の感覚があったからだと思う」とその才能を見出しました。慶一郎くんもアーチェリーの楽しさから、毎日のように練習に通い、急激に成長を遂げていきます。今では、アーチェリーが生活の一部となっています。
■油断から逃した優勝
小学4年生で初めての全国大会である第10回の同大会に出場した慶一郎くん。3位決定戦に進みましたが、年上の選手を相手に完敗し、4位で大会を終えます。「次は優勝したい」 という思いで、必死に練習に励み、1年後の同大会に出場。決勝までストレートで駒を進めました。決勝でも序盤は有利に試合を進めますが、勝ちが見え油断したことで逆転負けしてしまいます。 「勝てる相手だったし、調子もすごく良かったです。先にポイントを取れたので、優勝という思いがよぎったことで、フォームが崩れて修正ができませんでした」 と悔しい経験をしました。
■小学生最後の挑戦
2度の悔しい経験を糧に、さらに練習に励み、今年の大会を迎えました。 「優勝できなくてもいいから、悔いが残らないようにしよう」 と昨年とは違う思いで試合に臨みました。そして、その思いは良い結果につながります。大会の予選は強い雨が降る中で行われましたが、安定した実力を発揮し、1位で通過。順調に決勝まで勝ち進みます。決勝の相手は年下の選手で 「絶対に負けられない」 と、少し緊張はしたものの、前回のような油断や気持ちの乱れはありませんでした。6対2で勝利を収め、見事優勝を決めました。 「優勝して嬉しいというよりも、優勝できてよかったという思いでした。小学生最後の大会を銀で終わりたくなかったので、金を取れてほっとしました」 と喜びを語ります。
■オリンピックを見据えて
小学生王者となった慶一郎くんですが、先を見据えて、次は中学生が対象の大会に出場することが決まっています。「負けず嫌いなので、やるからには1位になりたい。特に年上との勝負は燃えます」 と闘志を燃やします。早川監督は「将来はオリンピックに出場してもらいたいし、その力はあると思う。世界レベルの選手として活躍してほしい」 と今後の成長に強い期待を寄せています。慶一郎くんは、 「中学生になったら、まず先輩に追いつけるように頑張りたい。オリンピックに出たいとは簡単には言えないけど、それを見据えつつ、ステップアップしていきたい」 と将来の夢を語ります。先を見据える小学生のアーチェリーチャンピオンは次の目標に狙いを定めています。