文化および芸術分野で活躍する中学生を支援する「ジュニアアーティスト・トップランナー支援事業」においてトップランナーに認定した、岐阜市から世界に羽ばたく未来のトップアーティスト中学生を紹介します!
「チェロで皆さんを楽しませたい」チェロ奏者
世界が認めた中学生チェリスト 清水 陽介さん(14)梅林中学校3年生
・D.Popper国際チェロコンクール 2.部門 1位受賞(2013年)
・岐阜国際音楽祭コンクール 小学生の部 1位受賞(2014年)
・泉の森ジュニアチェロコンクール 中学生の部 金賞受賞(2016年)
●チェロ奏者柏木広樹さんに憧れて
陽介さんがチェロを始めるきっかけになったのは、3歳のころに日本を代表するチェリストである柏木広樹さんのチェロの演奏を見たことでした。「柏木さんが演奏している雰囲気やチェロの音がすごく気に入りました」と柏木さんへの思いを強く語る陽介さん。母の理花さんに「チェロを習いたい」とお願いし、小学1年生から念願のチェロを習い始めました。「チェロの深くて心に染み入るような音がすごく好きで、毎日練習を頑張りました。早く曲が弾けるようになりたい一心で、練習を苦しいと思ったことはありませんでした」と当時を振り返ります。今でも平日は2時間以上、休日は5時間以上チェロの練習に励んでいます。
●オンツァイ・チャバ先生との出会い
順調にチェロの実力を上げていき、小学4年生の時にはチェロの師匠である林良一先生からの強い推薦により、本来なら中学生以上しか参加できない「ぎふ・リスト音楽院マスターコース」に参加。そこでリスト音楽院のオンツァイ・チャバ先生に出会います。「オンツァイ先生のレッスンを受けるたびに新たな発見があり、先生の音に近づけるため努力しました。いろいろと教えてもらって自分のチェロの音がすごく変わったと思います」と自分の成長を実感。また、オンツァイ先生に実力を認められた陽介さんは、国際コンクールへの出場を薦められ、小学5年生の時にハンガリーで開催された「D.Popper国際チェロコンクール 2.(10~13歳)部門」に出場、見事1位を受賞しました。陽介さんのチェロの演奏は、世界に通じる実力であることがオンツァイ先生に見いだされたのです。
●さらなるレベルアップのためハンガリーへ留学
その後、オンツァイ先生から「自分のそばで育てたい」と言われ、ハンガリーへの留学の誘いを受けます。まだ中学生ということもあり留学をするか悩みましたが、林先生から「今までたくさんの生徒を育ててきましたが、陽介くんなら早く海外で学んでもよいのでは」と背中を押してもらったことから、この夏ハンガリーへ留学することとなりました。ハンガリーでは、チェロだけではなく、ピアノや「ソルフェージュ」と言われる音楽の基礎理論も学びます。陽介さんは、「ヨーロッパ全体が音楽の本場だと思うので、まずは音楽の技術や本場の雰囲気を身につけたい」と留学への意気込みを語ります。また、将来の目標を「日本を代表するチェリスト」と定め、自分のチェロについて「先生の言われたことをすべて身につけるとともに、自分で音楽を理解、分析することで自分の音楽にしていきたい」と今後の成長した姿を見据えています。
●チェロでみなさんを楽しませたい
コンサートや普段の演奏では観客や場の空気を読みながら、音楽を楽しんでもらうことを意識しているという陽介さん。「今まで岐阜の皆さんにお世話になって、ここまで成長できたので、帰国した時にはレベルアップした自分を見てもらいたい。チェロで皆さんに楽しんでもらいたい」と将来の夢を語ります。陽介さんの奏でるチェロの音色が、世界を魅了する日も近いことでしょう。