岐阜市では積極的に社会活動に参加する元気な高齢者を“ぎふスーパーシニア”と呼びます。先日、日本老年学会などが高齢者の定義を65歳以上から75歳以上に引き上げるべきだと提言し注目されました。確かに最近の高齢者は昔に比べて10歳程度は若返ったと感じている人々も多いと思います。実際に様々な身体能力を表す数値には大きな改善が見られているようです。ぎふスーパーシニアにとっても健康で長生きができる時代の到来は願っても無いことですが、一方で年金制度の持続可能性や、認知症を含む医療や介護などの社会保障費用の高騰、次代の担い手不足など様々な課題も横たわっています。
団塊の世代が後期高齢者と言われる75歳になる2025年は、医療・介護施設や医師、看護師、介護士など、ありとあらゆるものが不足すると危惧され、2025年問題とまで言われています。このような厳しい時代を生き残るためには、様々な工夫と努力が必要になります。若いうちからの健康づくり、食生活の改善、人々と交流する機会、塗り絵やパズルといった脳トレなど、数え上げればキリがありません。笑うことも認知症予防に大いに効果があるようです。長寿医療研究センターの調査では、人生の幸福感や満足度が高い人は認知症の発症率が低いということが判っているそうです。フランスの哲学者アランは“人は幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ”と言っています。不平不満を言わず、自分ほど恵まれた者はいないと自分の環境に常に満足して笑っていれば、認知症になりにくいということでしょう。
意外に思われるかもしれませんが、実は“おしゃれ”も認知症予防には大いに効果があるようです。「認知症予防財団」が発表している認知症予防10ヶ条の中に“いつも若々しくおしゃれ心を忘れずに”という1ヶ条があります。着る物やお化粧によるおしゃれはその人の高揚感(こうようかん)を高め、ストレスを軽減させ、結果として免疫力を高めるようです。おしゃれは「心」「脳」「身体」を刺激し“生き甲斐”や“ときめき”を感じさせてくれます。さてファッションのまち岐阜市では「ギフ・蝶ネクタイ」で人もまちもファッション業界も盛り上がろうという趣旨で、岐阜女子短期大学の主催による「ギフ・チョウネクタイ」デザインコンテストを開催し、122点の応募作品から最優秀賞として岐阜市長賞ほか8点の優秀作品が選ばれました。今後の商品化が期待されます。岐阜市をおしゃれな“ぎふスーパーシニア”であふれさせ、認知症のないまちを実現しようではありませんか。