市の財政を取り巻く環境は、社会保障関係経費の増大、公共施設の老朽化対策など今後ますます厳しさを増すことが予想されますが、今年度も引き続き行財政改革を推進することにより、未来に対してぶれることなく、あらゆる世代が安心できる施策に投資していきます。
当初予算の推移
市の一般会計予算は、【図4】のとおり、増加傾向にあります。平成29年度の予算規模は、高齢化の進展に伴う社会保障関係経費が増加する一方で、消防指令センター整備など大型事業が完了したことにより、過去最大であった前年度と比べ約50億円減となる約1,550億円です。
市債残高
市の実質的な借金である普通債は、学校建設や道路整備などを行う際の資金調達のための借入金で、財政負担が大きい大規模事業の実施にあたり、他の市民サービスに影響を及ぼさないようにする「財政負担の平準化」と、将来その施設を使用し、利益を受ける世代にも負担をいただく「世代間の公平性の確保」の機能があります。市では、将来世代に過度の負担を残さないよう普通債残高の縮減に努めています。
一方、臨時財政対策債は、国の地方交付税の財源不足を補うために、地方公共団体が肩代わりをしている借入金で、その返済費用の全額が後年度の地方交付税で措置されます。国の財源不足が続いており、臨時財政対策債の残高は増加しています【図6】。
経常収支比率
経常収支比率は、財政構造の弾力性を示す指標です。市税、地方交付税など毎年度経常的に収入される使途に制限のない一般財源のうち、義務的経費をはじめとする経常的な経費に使われる一般財源の割合で求められます。この比率が低いほど、自治体独自の施策に充てる財源が多くなり、逆に比率が高いほど、財政の自由度が失われます。平成27年度は、地方消費税交付金収入の増加などにより0.5ポイント改善しました【図5】
財政調整基金と繰越金
地方公共団体における年度間の財源不均衡を調整するために設けられる基金を財政調整基金といいます。市では、平成28年度末に124億円の残高を見込んでおり、将来の財政需要に備えています。また、繰越金は約70億円を見込んでいます【図7】。