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きらり★ぎふっこ

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岐阜県岐阜市

岐阜市の未来を担う子どもたち。夢や目標に向かってひたむきに努力する姿は、私たちに感動を、そして元気を届けてくれます。そうした、きらりと輝く「ぎふっこ」をシリーズでご紹介します。

作りたいのは人の役に立つもの
世界青少年発明工夫展2017金メダル
尾野 宏多(おのこうた)くん青山中学校1年生
・2016年岐阜市児童生徒科学くふう展 岐阜県発明協会長賞
・2016年岐阜県発明くふう展 岐阜県知事賞
・第75回全日本学生児童発明くふう展 WIPO賞

足を悪くした祖母のために家の廃材から 「車いす」 を製作
■世界から集まる発明作品の中で頂点に
世界各国の青少年が製作した発明作品が集まる 「世界青少年発明工夫展2017」 。15の国・地域から約130の作品が出展された作品展です。今年7月に開催された同展に 「レバー式車いす」を出展した、尾野宏多くん。障がいがあるなど特別な助けが必要な人に向けた作品のカテゴリで、最高賞である金メダルを受賞しました。岐阜市で初、岐阜県でも2人目という快挙でした。
この 「レバー式車いす」 は宏多くんが小学6年生の夏休みに製作し、その年の市、県のくふう展で賞を受賞。日本全国から作品が集まる 「全日本学生児童発明くふう展」 でも高い評価を受けました。 「何か賞が取れれば程度に思っていたので、世界で金メダルに選ばれたときは鳥肌が立つくらい嬉しかったです」 と喜びます。

■さまざまな工夫を凝らした車いす
「もともとものづくりが好き」 という宏多くんは、これまで夏休みに家の廃材を使って、貯金箱や野球盤などを製作してきました。この 「レバー式車いす」 もその一つで、 「小学6年生の夏、おばあちゃんが突然足を悪くして、歩くことがつらそうでした。手もリウマチで握力が弱かったので、軽い力で動かせる車いすを作りたいという思いがきっかけになりました」 と話します。
この車いすは左右のレバーを軽く引くだけで前に進みます。左右のレバーにはブレーキが付いていて、レバーとブレーキの操作を組み合わせることで止まる、曲がるなどの操作が簡単にできます。さまざまな工夫を凝らした車いすですが、ヒントになったのが普段遊んでいたキックボードでした。 「キックボードはペダルを足で入場無料踏んで進むけど、ペダルをレバーにかえれば手で動かすことができるのでは」 と考え、2台のキックボードのペダルを切り離し、レバーを取り付けました。また、レバーを長くすることにより、てこの原理が働き、わずかな力で動く仕組みにしました。ほかにも、座席に座ったときに手で操作しやすい位置になるようレバーの長さを調整したり、足を置く場所に滑り止めをつけたりするなど、使う人のことを一番に考えました。 「軽い力ですごく簡単に操作することができるとおばあちゃんも喜んでくれて、とても嬉しかった」 と車いすが完成した時を振り返ります。
試行錯誤を繰り返し、約1か月をかけて車いすを完成させた宏多くんですが、一番苦労したのは、意外にも工夫展での審査でした。 「自分のブースで一人で作品の説明をする必要があり、特に外国人の審査員には英語で説明しなければならず、資料を作ったり、英語を覚えたりするのが一番大変でした」 と語ります。その苦労が実を結び金メダルの獲得につながりました。

■人の役に立つものを作りたい
部活は野球部に所属し、ピアノも習っていて、多彩な才能を持つ宏多くん。これからも、ものづくりを続けていきたいと思っています。 「両親が福祉関係の仕事をしているので、身体に障がいがある人など困っている人たちの役に立つものを作りたい」 。多くの人を驚かせる宏多くんの次回作に期待せずにはいられません。

       

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