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信長公と岐阜12 小和田哲男

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岐阜県岐阜市

近世城郭の三要素を備えた岐阜城
少し前まで、近世城郭の一ページを飾るのは安土城と考えられてきた。ところが、近年の岐阜城山麓部の信長居館址の発掘調査によって状況が変わってきた。近世城郭の三要素とされる高石垣、礎石建物、瓦葺(かわらぶき)の三つがすでに岐阜城において見られることが明らかになってきたからである。
石垣については、すでに小牧山城にも見られたが、高石垣というわけではなく、五つか六つ積んだものを二段にするという形であったが、岐阜城の場合には五~六メートルほどの高さがある。安土城は一〇メートルを超えるので、石垣の点では、小牧山城と安土城の中間に位置づけられる。
礎石建物は、発掘調査の結果、おびただしい数の礎石が見つかっているので、それまでの中世的な掘立柱ではなく、礎石建物となっていたことが明らかである。
瓦は、菊文金箔瓦、牡丹文金箔瓦が出土しているので、瓦が葺かれていたことはたしかである。ただ、これも安土城のような総瓦葺とはなっていないので、過渡期というべきかもしれない。いずれにせよ、四階御殿といい、金箔瓦といい、つぎの安土城のいわば実験台となったことはまちがいないところである。(完)

       

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